福井県鯖江市三六町 1-2-31

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診療科ご案内

耳鼻咽喉科

ご紹介

耳鼻咽喉科は脳以外の頭部、顔面、頚椎以外の頸部の疾患を扱う診療科で、疾患領域は多岐にわたります。耳は、中耳炎、難聴、めまい、鼻はアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、のどは、咽頭炎や扁桃炎、頸部は甲状腺腫瘍や唾液腺腫瘍などです。薬や注射の内科的治療で治る疾患に関しては、極力お薬で治療し、それでも改善しない疾患に関しては積極的に手術加療も行っています。術後も早期退院できるよう手術法、術後処置に配慮しています。
当院は丹南地区では唯一の耳鼻科の入院管理や手術ができる病院です。2021年度からは常勤医が2名となり、今までよりも待ち時間も短縮しています。
また、ご希望に応じて、通院しやすい近隣の耳鼻科クリニックを紹介したり、逆に入院・手術が必要な患者さんを紹介していただいたりする地域連携を積極的に進めています。

得意とする分野・力を入れている疾患

  • 扁桃炎や扁桃周囲膿瘍などの上気道感染症
    扁桃炎は、「風邪」と症状は似ていて、のどの痛み、発熱が起こりますが、主にウイルス感染が原因である「風邪」と違って、高熱や激しい咽頭痛、痛みで食事もとれないというような症状が出現します。扁桃炎は細菌感染が原因のことが多く、悪化すると扁桃周囲膿瘍といわれるような扁桃の周囲に膿だまりができて、口内からの切開排膿が必要になります。扁桃周囲膿瘍が疑われる際は造影剤を使用したCT検査を施行し、膿瘍が確認できれば切開排膿や入院加療を行っています。
 
  • アレルギー性鼻炎
    抗アレルギー薬での治療のほか、アレルギー性鼻炎の原因を検査して、スギ、ダニアレルギーがある場合には舌下免疫療法も行っています。また、鼻内の形態異常を伴う強い鼻閉が持続する方には、鼻内視鏡を用いて鼻中隔矯正術、粘膜下下甲介骨切除術、後鼻神経切断術を行い、症状を改善することも可能です。
 
  • 慢性副鼻腔炎
    長期間、鼻副鼻腔に細菌感染が持続し、濃性の鼻汁が続きます。当科では難治性の膿性鼻汁があれば副鼻腔CT検査を行い、単なる慢性副鼻腔炎なのか、歯性上顎洞炎といわれるような虫歯が原因の副鼻腔炎がないか、副鼻腔にカビの塊があって抗菌薬の投与で改善しないような副鼻腔真菌症がないか、副鼻腔の悪性腫瘍が原因になっていないか精査しています。内服加療で改善しないような疾患の場合は、鼻内視鏡と手術合併症を予防するナビゲーションシステムを用いた安全な内視鏡下鼻・副鼻腔手術を行っています。術後は、従来行われていたガーゼパッキングの代わりに、鼻内に創傷被覆材を留置しています。これにより、抜去時の痛みが少なくなるほか、早期の鼻粘膜の治癒が期待できます。
 
  • 好酸球性副鼻腔炎
    従来の細菌性副鼻腔炎に代わって、最近、増加傾向にある両側の鼻腔ポリープ(鼻茸)による鼻閉、嗅覚障害を特徴とする副鼻腔炎です。喘息や鎮痛剤に対するアレルギーを伴うことが多いのも特徴で、手術でポリープを取り除いても、術後ポリープが再発することも多く、厚生労働省の難病に指定されています。長期にわたる外用、内服ステロイドでの治療が必要な疾患です。しかし、長期にわたるステロイド内服は、様々な副作用にも注意が必要です。当科では、手術後の鼻茸再発症例に対して、ステロイドに代わってデュピクセント(デュピルマブ)やヌーカラ(メポリズマブ)での治療を導入しています。喘息やアトピー性皮膚炎で実績のある注射薬で、月1-2回自宅で自己注射を行い、大きな副作用なく鼻茸の増殖を抑えていくことが可能です。
 
  • 頸部腫瘍
    甲状腺腫瘍(良性、悪性)、バセドウ病、検査で良性が疑われる耳下腺腫瘍・舌下腺腫瘍などの唾液腺腫瘍に対する外科手術を多数行っています。頸部の傷は見える場所であり、目立たないきれいな傷跡になるよう丁寧な縫合を心がけ、表皮を縫合せず、皮下のみ溶ける糸で縫合するなどの配慮も行っています。また、術中は神経刺激器を用いて反回神経・顔面神経の損傷防止に努めています。
 
  • 中耳炎
    滲出性中耳炎に対する鼓膜チューブ挿入術を行っています。とくに小児の滲出性中耳炎を放置した場合、将来難聴をきたすような真珠腫性中耳炎に進行する場合があるため、原因となっているアデノイドの切除も同時に行うことがあります。
    真珠腫性中耳炎に対する鼓室形成術、慢性中耳炎・鼓膜穿孔に対する鼓膜形成術(日帰り手術可能)も行っています。
    また、それほど大きくない鼓膜穿孔の場合は、リティンパ(鼓膜再生を促す薬剤)を用いて、外来での30分程度で終了する鼓膜穿孔閉鎖術を行っています。この手術は耳後部に傷をつけることなく、鼓膜のみの処置で済むため、患者さんへの侵襲が少ないものとなっています。
 
  • めまい
    良性発作性頭位めまい症の診断、耳石置換法の指導を行っています。
    メニエール病に対しては、内服加療のほか、中耳加圧療法(メニエール治療の専用器具をお貸しして、自宅で朝夕3分、外耳道に空気を送る治療法)を導入しています。これによって、めまい発作の頻度軽減が期待できます。
 
  • 顔面神経麻痺
    早期治療開始で麻痺を極力残さないよう的確な診断・治療を行っています。重症の方には入院でのステロイドと抗ウイルス薬の投与、軽症の方は外来での内服加療で社会生活を続けながらの治療にも配慮しています。

2023年度手術実績

耳科手術
手術名 件数
鼓膜形成手術 4
鼓膜穿孔閉鎖術(一連につき) 11
鼓室形成手術(耳小骨温存術) 1
耳介血腫開窓術 5
外耳道異物除去術(単純なもの) 10
先天性耳瘻管摘出術 3
鼓膜切開術 8
鼓膜チューブ挿入術 18

鼻科手術
手術名 件数
内視鏡下鼻副鼻腔手術 75
鼻腔粘膜焼灼術 29
鼻骨骨折整復固定術 10
鼻茸摘出術 14
鼻中隔矯正術 18

口腔咽喉頭
手術名 件数
アデノイド切除術 2
口蓋扁桃手術(摘出) 32
中咽頭腫瘍摘出術(経口腔によるもの) 1
下咽頭腫瘍摘出術(経口腔によるもの) 1
口蓋腫瘍摘出術(口蓋粘膜に限局するもの) 1
口唇腫瘍摘出術(粘膜嚢胞摘出術) 3
口唇腫瘍摘出術(その他のもの) 4
喉頭・声帯ポリープ切除術
(直達喉頭鏡またはファイバースコープによるもの)
1
喉頭蓋切除術 2
喉頭蓋嚢腫摘出術 2
喉頭腫瘍摘出術(直達鏡によるもの) 1
気管切開術 2
咽後膿瘍切開術 2
扁桃周囲膿瘍切開術 27
咽頭異物摘出術(簡単なもの) 9
咽頭異物摘出術(複雑なもの) 18


頭頚部
手術名 件数
外耳道腫瘍摘出術 1
顎下腺摘出術 3
耳下腺腫瘍摘出術(耳下腺浅葉摘出術) 1
耳下腺腫瘍摘出術(耳下腺深葉摘出術) 3
甲状腺部分切除術、甲状腺腫摘出術(片葉のみ) 3
甲状腺部分切除術、甲状腺腫摘出術(両葉の場合) 1
甲状腺悪性腫瘍手術(切除)(頸部外側区域郭清を伴わないもの) 2
甲状腺悪性腫瘍手術(切除)(頸部外側区域郭清を伴うもの) 1
頸瘻、頸嚢摘出術 1
リンパ節摘出術(長径3センチメートル未満) 3
リンパ節摘出術(長径3センチメートル以上) 4
皮弁作成術、移動術、切断術、遷延皮弁術(25平方センチメートル未満) 3
唾石摘出術(一連につき)(深在性のもの) 1

 
(2025.4)